← 一覧に戻る

リダイレクトチェーンとは?SEOへの影響と確認・解消方法を解説

SEO
アイキャッチ

「サイトをリニューアルしたら、なぜか検索順位が下がった」「ページの表示が以前より遅くなった気がする」——もしそんな悩みをお持ちなら、リダイレクトチェーンが原因かもしれません。

リダイレクトチェーンとは、URLの転送(リダイレクト)が何段階にもわたって連鎖している状態のことです。サイト運営を続けるなかで、知らず知らずのうちに発生していることが多く、SEOやユーザー体験に悪影響を及ぼします。

この記事では、リダイレクトチェーンの仕組みから発生原因、SEOへの具体的な影響、確認方法、そして正しい解消手順までを網羅的に解説します。読み終えるころには、自サイトの問題を特定し、すぐに対処できるようになるはずです。

リダイレクトチェーンとは?基本の仕組みをわかりやすく解説

リダイレクトの基礎知識

リダイレクトチェーンを理解するには、まず「リダイレクト」そのものを知っておく必要があります。

リダイレクトとは、あるURLにアクセスしたユーザーやクローラーを、自動的に別のURLへ転送する仕組みです。たとえば、サイトリニューアルでURLが変わったとき、旧URLから新URLへ自動で飛ばす処理がリダイレクトにあたります。

リダイレクトには主に2種類あり、それぞれ役割が異なります。

種類

意味

用途

SEO評価の引き継ぎ

301リダイレクト

恒久的な転送

URL変更・ドメイン移行

引き継がれる

302リダイレクト

一時的な転送

メンテナンス・ABテスト

原則引き継がれない

URL変更が恒久的な場合は、SEO評価を新URLに引き継げる301リダイレクトを使うのが基本です。

リダイレクトチェーンが発生する仕組み

リダイレクトチェーンとは、1つのURLにアクセスしたとき、最終的なページにたどり着くまでに複数回のリダイレクトを経由してしまう状態を指します。

たとえば、以下のような状況を考えてみましょう。

  1. 2020年にURL「A」で記事を公開した
  2. 2022年のリニューアルでURL「B」に変更し、A→Bのリダイレクトを設定した
  3. 2024年にさらにURL「C」へ変更し、B→Cのリダイレクトを追加した

この結果、ユーザーが旧URL「A」にアクセスすると、A→B→Cと2段階の転送が発生します。これがリダイレクトチェーンです。

本来であれば、A→Cへ直接転送するだけで済むところを、不要な中間URLを経由してしまっている状態です。

正常なリダイレクト:URL A → URL C(1回で完了)

リダイレクトチェーン:URL A → URL B → URL C(2回以上経由)

リダイレクトチェーンとリダイレクトループの違い

混同されやすいのが「リダイレクトループ」です。両者の違いを明確にしておきましょう。

項目

リダイレクトチェーン

リダイレクトループ

挙動

最終的にはページが表示される

転送が永久に繰り返され、ページが表示されない

A→B→C(Cで表示)

A→B→A→B…(終わらない)

深刻度

SEOとUXに悪影響

サイトが完全に表示不可になる致命的エラー

リダイレクトチェーンは「遠回り」、リダイレクトループは「迷路にはまって出られない状態」とイメージすると理解しやすいでしょう。

リダイレクトチェーンが発生する5つの原因

リダイレクトチェーンは、意図的に作られることはほとんどありません。多くの場合、サイト運営の過程で気づかないうちに発生しています。主な原因を5つ紹介します。

①サイトリニューアルの繰り返し

最も多い原因が、サイトリニューアルや構成変更の繰り返しです。リニューアルのたびに新しいリダイレクトを追加しながら、過去の設定を更新しないまま放置すると、転送の連鎖がどんどん長くなります。

特に担当者が変わったときに、既存のリダイレクト設定が把握されないまま新たなリダイレクトが追加されるケースは非常に多いです。

②HTTP→HTTPSの移行

SSL化(HTTP→HTTPS)を行った際に、既存のリダイレクト設定と新しいHTTPS用のリダイレクトが重複して、チェーンが発生することがあります。たとえば「http://example.com → http://www.example.com → https://www.example.com」のように、wwwの正規化とHTTPS化の2段階になるパターンです。

③ドメイン変更

ドメインを変更した場合、旧ドメインから新ドメインへのリダイレクトに加え、新ドメイン内でもURL構造の変更が重なると、チェーンが長くなります。

④CMS・プラグインの自動リダイレクト

WordPressなどのCMSでは、パーマリンク(URL構造)を変更するとプラグインが自動でリダイレクトを生成する場合があります。手動で設定したリダイレクトと、自動生成されたリダイレクトが重複してチェーンになることがあります。

⑤末尾スラッシュ(トレイリングスラッシュ)の不統一

URLの末尾に「/」があるものとないもの(例:/page と /page/)が混在していると、サーバーが自動で正規URLにリダイレクトし、これが他のリダイレクトと組み合わさってチェーンを形成することがあります。

実務での注意点:筆者の経験上、リダイレクトチェーンの約70%は「過去の設定を確認せずに新しいリダイレクトを追加した」ことが原因です。リダイレクト設定を行う前に、必ず既存の設定を一覧で確認する習慣をつけましょう。

リダイレクトチェーンがSEOに与える3つの悪影響

「たかがリダイレクトが1〜2回多いだけ」と軽視するのは危険です。リダイレクトチェーンは、SEOの複数の要素に悪影響を及ぼします。

悪影響①:ページ表示速度の低下

リダイレクトが1回増えるたびに、サーバーへのリクエストが追加で発生します。各リダイレクトにはDNSの名前解決やTCPハンドシェイクなどの処理時間がかかり、表示速度が目に見えて遅くなります。

特にモバイル回線では、1回のリダイレクトで数百ミリ秒の遅延が加算されることも珍しくありません。Googleはページ表示速度をランキング要因としているため、これだけでも検索順位に影響する可能性があります。

悪影響②:クロールバジェットの浪費

Googleのクローラー(Googlebot)がサイトをクロールできる量には上限があり、これを「クロールバジェット」と呼びます。リダイレクトチェーンがあると、最終ページにたどり着くまでにクローラーが複数のURLをたどる必要があり、クロールバジェットを無駄に消費します。

Googleの公式ドキュメントでも、長いリダイレクトチェーンはクロールに悪影響があると明記されています。さらに、GoogleのJohn Mueller氏は、Googlebotは1回のクロールで最大5ホップ(5回のリダイレクト)まで追跡すると述べています。つまり、5回を超えるとクロールが中断され、最終ページがインデックスされない恐れがあるのです。

悪影響③:リンクエクイティ(被リンク評価)の減衰

被リンクによるSEO評価(リンクエクイティ、リンクジュースとも呼ばれます)は、リダイレクトを経由しても基本的に引き継がれます。しかし、チェーンが長くなるほど途中で評価が減衰するリスクがあると考えられています。

実際の現場では、リダイレクト直後に一時的に10〜20%程度の評価ロスが見られるという報告もあります。チェーンが3段階あれば、その分だけ影響が蓄積する可能性があります。

まとめ:リダイレクトチェーンの3つの悪影響

  • 表示速度の低下:リダイレクト1回ごとに数百ミリ秒の遅延が加算
  • クロールバジェットの浪費:Googlebotは最大5ホップで打ち切り
  • 被リンク評価の減衰:チェーンが長いほど評価の損失リスクが増大

リダイレクトチェーンを確認する方法【ツール別に解説】

自サイトにリダイレクトチェーンが発生しているかどうか、実際に確認してみましょう。ここでは、代表的な4つの方法を紹介します。

方法①:Google Search Console

Google Search Consoleの「ページのインデックス登録」レポートを確認しましょう。「ページにリダイレクトがあります」という項目にURLが表示されている場合、リダイレクトの問題が発生している可能性があります。

ただし、Search Consoleだけではチェーンの詳細な段階は確認しにくいため、他のツールとの併用がおすすめです。

方法②:Screaming Frog SEO Spider

より本格的に調査するなら、Screaming Frog SEO Spiderが最も効率的です。デスクトップにインストールして使うクローラーツールで、無料版でも最大500URLまでクロールできます。

  1. Screaming Frogを起動し、サイトURLを入力してクロールを開始
  2. 上部メニューの「Reports」→「Redirect Chains」を選択
  3. リダイレクトチェーンが一覧で表示される

どのURLがチェーンの起点で、どこを経由して最終URLにたどり着いているかが一目でわかるため、修正計画が立てやすくなります。

方法③:Chrome デベロッパーツール

1ページ単位で確認したい場合は、Google Chromeのデベロッパーツールが便利です。

  1. Chromeで対象のURLにアクセス
  2. F12キーを押してデベロッパーツールを開く
  3. 「Network」タブを選択し、「Preserve log」にチェックを入れる
  4. ページを再読み込みする
  5. ステータスコードが「301」「302」のリクエストが複数あれば、リダイレクトチェーンが発生している

方法④:オンラインリダイレクトチェッカー

手軽に確認したい場合は、無料のオンラインツールが便利です。「httpstatus.io」「Redirect Checker」などにURLを入力するだけで、リダイレクトの経路とステータスコードを一覧表示してくれます。

サイト全体を一括で調べたいならScreaming Frog、個別のURLをすぐに確認したいならオンラインツールと、目的に応じて使い分けるのが効率的です。

リダイレクトチェーンを解消する具体的な手順

リダイレクトチェーンを見つけたら、できるだけ早く修正しましょう。解消の基本方針は「すべてのリダイレクトを、起点URLから最終URLへの直接転送に書き換える」ことです。

STEP1:現状の把握とリスト化

まずは、前述のツールを使って、サイト内のリダイレクトチェーンをすべて洗い出します。以下の情報をスプレッドシートなどにまとめると、作業がスムーズです。

  • 起点URL(チェーンの最初のURL)
  • 中間URL(経由しているURL)
  • 最終URL(実際に表示されるURL)
  • 各段階のステータスコード(301 or 302)

STEP2:.htaccessまたはサーバー設定の修正

Apacheサーバーの場合、.htaccessファイルでリダイレクトを管理していることが多いです。チェーンになっている設定を見つけ、起点URLから最終URLへ直接リダイレクトするよう書き換えます。

たとえば、以下のようなチェーンがある場合:

修正前(チェーンあり):

Redirect 301 /old-page /middle-page
Redirect 301 /middle-page /new-page

修正後(直接転送):

Redirect 301 /old-page /new-page
Redirect 301 /middle-page /new-page

ポイントは、中間URLのリダイレクトも残しておくことです。中間URLに直接アクセスするユーザーや被リンクがあるかもしれないため、中間URL→最終URLのリダイレクトも設定しておきましょう。

STEP3:WordPressの場合はプラグインも確認

WordPressサイトの場合、「Redirection」プラグインなどでリダイレクトを管理していることがあります。プラグインの管理画面で、チェーンになっているルールを修正してください。

また、パーマリンク変更時にWordPressが自動生成するリダイレクトも見落としがちです。データベースに残る自動リダイレクトが原因になっていないか、プラグインの「404 Monitor」機能などで確認しましょう。

STEP4:修正後の確認

修正が完了したら、必ず動作確認を行います。

  1. オンラインリダイレクトチェッカーで、起点URLから最終URLへ1回で転送されることを確認
  2. 最終URLのステータスコードが200(正常表示)であることを確認
  3. Google Search Consoleで対象URLの再クロールをリクエスト

注意:大量のリダイレクトを一度に変更すると、設定ミスが発生するリスクが高まります。優先度の高いページ(アクセス数の多いページや被リンクが多いページ)から順に、段階的に修正していくことをおすすめします。

リダイレクトチェーンを再発させないための予防策

修正して終わりではなく、再発させない仕組みづくりが重要です。特に長期運用のサイトでは、以下の対策を日常業務に組み込みましょう。

リダイレクト管理台帳を作る

リダイレクトの設定・変更履歴をスプレッドシートなどで管理する「リダイレクト管理台帳」を作成しましょう。「いつ」「誰が」「どのURLからどのURLへ」「理由」を記録しておくことで、担当者が変わっても設定の全体像を把握できます。

内部リンクも同時に修正する

見落とされがちですが、リダイレクトを設定する際にサイト内部のリンク先も新しいURLに更新することが重要です。内部リンクが旧URLのままだと、そのたびにリダイレクトが発生し、不要な負荷がかかります。

定期的にクロールツールで監査する

月に1回程度、Screaming Frogなどのツールでサイト全体をクロールし、リダイレクトチェーンが新たに発生していないかチェックする習慣をつけましょう。サイト規模が大きいほど、知らないうちにチェーンが増えていることがあります。

URL変更を最小限に抑える設計をする

そもそもURL変更を減らすのが最善の予防策です。サイト設計の段階で、将来的にも変更が不要なURL構造を検討しましょう。具体的には、日付やカテゴリ名をURLに含めない、短くシンプルなパーマリンクにする、といった工夫が有効です。

予防策のまとめ

  • リダイレクト管理台帳で設定履歴を一元管理する
  • リダイレクト設定時に、内部リンクも必ず新URLへ更新する
  • 月1回のクロール監査でチェーンの早期発見を心がける
  • URL変更が発生しにくいサイト設計を最初から意識する

よくある質問(FAQ)

Q1. リダイレクトチェーンは何段階まで許容されますか?

理想は1回(直接転送)です。Googleのクローラーは1回のクロールで最大5ホップまで追跡するとされていますが、パフォーマンスやSEO評価への影響を考えると、リダイレクトは1回で完了するように設定するのがベストです。2段階以上ある場合は、できるだけ早く修正することをおすすめします。

Q2. リダイレクトチェーンがあると、検索順位は必ず下がりますか?

「必ず下がる」とは言い切れません。しかし、ページ表示速度の低下やクロールバジェットの浪費を通じて、間接的に検索順位に悪影響を及ぼす可能性があります。特に競合が激しいキーワードでは、わずかなマイナス要因が順位に影響するため、放置は推奨しません。

Q3. 301リダイレクトでもリンク評価は100%引き継がれるのですか?

Googleは公式に「301リダイレクトでPageRankのロスはない」と述べていますが、実務では転送直後に一時的な評価の低下が見られるケースもあります。時間の経過とともに回復するのが一般的ですが、チェーンになっていると回復に余計な時間がかかる場合があります。

Q4. リダイレクトチェーンの確認に費用はかかりますか?

基本的な確認であれば無料で行えます。Google Search Console、Chromeデベロッパーツール、Screaming Frog(無料版:500URLまで)、オンラインリダイレクトチェッカーなど、無料のツールだけでも十分に調査可能です。

Q5. チェーンの修正後、Googleに反映されるまでどのくらいかかりますか?

サイトの規模やクロール頻度によりますが、一般的には数日〜数週間で反映されます。修正後にGoogle Search Consoleの「URL検査」からインデックス登録をリクエストすると、反映を早められる場合があります。

まとめ:リダイレクトチェーンは早期発見・早期対処が鍵

リダイレクトチェーンは、サイト運営を続けるなかで自然と発生しやすい問題ですが、放置するとSEO評価の低下やユーザー体験の悪化を招きます。この記事のポイントをまとめます。

  • リダイレクトチェーンとは、URLの転送が2回以上連続して連鎖している状態
  • ページ表示速度の低下、クロールバジェットの浪費、被リンク評価の減衰がSEO上のリスク
  • Googleのクローラーは最大5ホップで追跡を打ち切るため、重要ページが未インデックスになる危険がある
  • Screaming Frog、Chrome DevTools、オンラインツールなどで確認可能
  • 解消の基本は「起点URLから最終URLへの直接転送に書き換える」こと
  • リダイレクト管理台帳の運用と定期監査で再発を防止する

まずは今日、自サイトにリダイレクトチェーンが発生していないか確認してみてください。Screaming Frogの無料版やChromeデベロッパーツールを使えば、数分で現状を把握できます。小さな改善の積み重ねが、長期的なSEO効果を大きく左右します。

この記事を書いた人
森元仁隆
森元仁隆

元新聞記者。現場で培った取材力と表現力を基に、読者に価値ある実践的な知見を提供します。